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化学療法基盤支援活動キックオフシンポジウム開催のお知らせ   平成23年3月9日(水)

化学療法基盤支援活動(略称、化療支援活動)のメンバーを代表してご挨拶申し上げます。
がんの罹患率が増加する中で、がんを薬で治すがん化学療法への期待はますます大きくなっています。2001年に医薬品として認可されたイマチニブは、BCR-ABLキナーゼを阻害する分子標的薬ですが、慢性骨髄性白血病細胞の特効薬としてミラクルドラッグと呼ばれるほど画期的な治療成績を示しました。
それ以来、分子標的薬の開発が世界規模で活発化して早くも10年になろうとしています。この間、がん化学療法の有効性は着実に上昇してきました。しかし、依然として既存薬の手に余るに難治性のがんがあり、それらを克服する新たな分子標的薬を開発する必要があります。これを実現する基盤として、最新のバイオサイエンスを背景とするがん分子標的治療研究の推進はいっそう重要と考えられます。
このような状況を踏まえ、化療支援活動は、最新の抗がん剤スクリーニングの提供、有用な化合物の提供、ならびに抗がん剤開発関連情報の提供などを行うことによって、研究者による新規抗がん物質発見の効率を高めること、合わせて、研究者間の共同研究ネットワークをつくることを目標とするものであります。いうまでもありませんが、抗がん剤の開発には、バイオロジーとケミストリーの両方が車の両輪として連携することが必要です。詳しい支援内容は、当支援活動ホームページの中に記されています。
内容をご覧いただけばお分かりいただける通り、化療支援活動は、バイオロジスト、ケミストを含め幅広い領域の研究者のお役に立てるものであります。ことに、がん研究ネットワークの支援対象研究者のみなさまには、ぜひ化療支援活動をご活用いただき、新規化合物から抗がん分子標的薬の創薬研究への展開に役立ててくだされば幸いに存じます。
なお、本支援活動をご紹介する企画として、キックオフシンポジウム「アカデミアからの抗がん剤創薬へ向けて」を企画しましたのであわせてご案内いたします(詳しくは、http://scads.jfcr.or.jp/ をご覧ください)。

文部科学省新学術領域研究・がん支援
化学療法基盤支援活動 班長 矢守隆夫

【スケジュール】

日 時 平成23年3月9日(水):13時より
場 所 〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町
京都大学 百周年時計台記念館
開催趣旨 分子標的抗がん剤開発を指向した「化学療法基盤支援活動」を知ってもらい活用してもらうための情報発信
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プログラム
13:00 〜 13:40 基調講演1
座長:矢守隆夫(癌研)
中村祐輔(東京大学医科学研究所 教授・(併任)内閣官房医療イノベーション推進室長)
「がん特異的蛋白を利用した低分子化合物・抗体薬・ペプチドワクチンの開発」
13:40 〜 14:00 支援活動全体説明
座長:上原至雅(岩手医大)
矢守隆夫(癌研):化学療法基盤支援活動とは
14:00 〜 15:15 分子標的阻害剤探索の方向性とトピックス
座長:井本正哉(慶大)、冨田章弘(癌研)
水上民夫(長浜バイオ大):がん分子標的薬の開発状況
深澤秀輔(感染研):細胞を使ったキナーゼ阻害活性評価
掛谷秀昭(京大):低酸素誘導因子(HIF)の機能制御物質の探索・評価
吉田 稔(理研):創薬標的HDACの多様な機能
宮田直樹(名市大):分子設計に基づくヒストン脱メチル化酵素阻害化合物の創製
15:15 〜 15:45 (コーヒーブレーク)
15:45 〜 16:25 基調講演2
座長:長田裕之(理研)
戸井雅和(京都大学大学院医学研究科)
「乳癌における個別化治療」
16:25 〜 17:35
化合物バンク整備とがん研究への活用
座長:清宮啓之(癌研)、松浦正明(癌研)
長田裕之(理研):化合物ライブラリーの構築と整備
川田 学(微化研):「きっかけ」は阻害剤キット:ケミカルバイオロジーの支援活動
広川佳史(三重大):RhoBによる前立腺癌細胞の運動能亢進と制御因子の探索
冨田章弘(癌研):薬剤の制がん作用と関連する遺伝子発現変化のデータベース化
旦 慎吾(癌研):化学療法基盤支援活動の支援事業とその利用法
17:35 〜 17:55 総合討論 座長:吉田稔(理研)、矢守隆夫(癌研)
17:55 閉会