研究紹介

インタビュー

J-MICC Studyは、日本における本格的な分子疫学コーホート研究の第1号

田中部長らは現在、国内における本格的な分子疫学コーホート研究の第1号ともいえる「日本多施設共同コーホート研究(J-MICC study)」を進めている。がんをはじめとする生活習慣病の発症に関わる要因について探り、一人一人の体質に合った予防法を確立するのが目的だ。2005年以降、全国の11施設において対象者の募集を行っており、今年の8月末までに8万8000人がエントリーしているという。

「対象としているのは35〜69歳の男女です。主に、検診受診対象者や、ポスティングなどによる参加呼びかけに応じて下さる、健康な人が対象です。私が勤める愛知県がんセンターにおいては、これまでに8500人の方がエントリーしてくださっています」と話す。

エントリー希望の人には、まずJ-MICC Studyについての詳しい説明を行い、インフォームドコンセントを得たうえで登録してもらう。

「そのうえで、生活習慣に関する分厚い調査票に『何をどのくらい食べているか』、『どのくらい寝ているか』、『どのくらい運動しているか』といったことを細かく記入してもらいます。また、血漿、血清、遺伝子を調べるためのリンパ球などを提供いただくために、14ccほど採血させていただきます。初回調査はこれで終わりです。次回は5年後に、初回と同じ調査を行います」と田中部長。その後、血液成分とSNPがくわしく調べられ、5年の間に変化した生活習慣や血液状態を加味したうえで、その後の追跡調査の結果から得られる病気の発症との関連について解析するという。
また、J-MICC Studyで収集されたDNAなどの生体試料は、匿名化された形で外部の研究、例えばDNAのメチル化と胃がん発症との関連を調べた研究や、十二指腸潰瘍発症に関するGWASの確認試験などに提供されており、その結果は、Nature Geneticsなどの一流誌に掲載されている。

注釈
【J-MICC Study】
Japan Multi-institutional Collaborative Cohort Study
日本多施設共同コーホート研究
http://www.jmicc.com/