研究紹介

インタビュー

細胞周期からみた細胞老化誘導のメカニズム

ユビキチンは76個のアミノ酸からなるタンパク質で、真核生物に共通してみられる。いずれの生物においても、3種の酵素(ユビキチン活性化酵素、ユビキチン結合酵素、ユビキチンリガーゼ)が連続してはたらく複雑な反応を経て、タンパク質のリジン残基に付加される。ヒトでは、ユビキチン結合酵素が30種、ユビキチンリガーゼが700種以上知られており、リン酸化反応などと同様に、細胞内の普遍的なタンパク質制御機構だと考えられている。

単体のユビキチンが付加する反応は「モノユビキチン化」、複数のユビキチン(ユビキチン鎖)が付加される反応は「ポリユビキチン化」とよばれる。「ユビキチン分子には7つのリジン残基があるため、N末端のアミノ基を加えて8種類のユビキチン鎖を作り出します。それぞれのユビキチン鎖は細胞内で明確に区別されており、発揮する機能も異なることからユビキチン・コードともよばれています」と駒田教授。

ユビキチン化によるタンパク質分解の分子メカニズムを解明したアメリカの故アーウィン・ローズらには、2004年のノーベル化学賞が授与された。現在では、ユビキチン化にタンパク質分解以外の多彩な機能があること、がんや神経変性疾患などに関与することなどが明らかにされてきており、多角的な研究が進められている。


※2004年ノーベル化学賞