概要・活動内容

国際交流委員会

Cleveland Clinic, UCSDへの訪問とAmerican Society of Hematology Annual Meetingに参加して

京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学
永田 安伸

今回、平成26年度新学術領域研究「がん支援」国際交流委員会海外派遣からの助成を頂き、平成26年12月6日から13日にかけて、米国血液学会学術集会(ASH annual meeting)への参加といくつかの研究室を訪問させて頂きました。

まず、2014年12月6日-9日にかけてサンフランシスコで開催された第56回ASH annual meetingに参加させて頂きました。ASH annual meetingは毎年12月に開催され、口頭発表は1000演題、ポスターは3000演題で約20,000人が参加する血液学の分野では世界で最大規模の学術集会です。腫瘍学だけでなく、造血幹細胞や血栓・止血分野など血液学全般に関わる最新の知見が発表され、最先端の研究技術革新や大規模な臨床試験の結果発表など基礎から臨床まで幅広い分野が網羅されております。本学会に参加することで世界の研究者たちがどのような分野に着目しているのかを知ることが出き、それらを解明するためにどのような手法が考えられるのか海外の研究者達と熱心な議論を行うことが可能となります。

ASH annual meetingが非常に優れている特色の一つに教育面が挙げられます。4日間の内、前半2日間の大半は教育プログラムに時間が割かれており、臨床医向けの“Education Program”、基礎研究者向けの“Scientific program”に分かれて複数の会場で、その領域の最先端の先生の講演を聞くことのできる素晴らしい内容です。この中でも私は、造血器腫瘍の発症メカニズムに関して遺伝学的な側面からアプローチしたいと考えており、これらの研究内容を中心に聴講して参りました。後半2日間は研究発表がメインであり、早朝7:00からOral sessionが始まり、夜は20:00までPoster sessionが続きます。「Novel Biological Effects and Distinct Patterns of Rhoa Mutations in Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma and Angioimmunoblastic T Cell Lymphoma」という題名で日本人に高頻度な予後不良である成人T細胞性白血病における新規のRHOA遺伝子変異に関する内容を発表させて頂きました。日本のポスターセッションとは異なり、ワインやビールを片手に気さくに議論が始まり、熱心な質疑応答が行われました。

また、12月10日-11日には、Clevelandにありますクリーブランドクリニック、12月12日-13日にはサンディエゴにありますUniversity of California, San Diego (UCSD) Moores Cancer Centerの研究室に訪問させて頂きました。これらの研究室は私がこれまで行ってまいりました骨髄異型性症候群の網羅的遺伝子解析分野で多くの業績を報告しております。私が所属します京都大学腫瘍生物学とクリーブランドクリニックとの共同研究におきまして骨髄系腫瘍の網羅的な遺伝子解析を行い、7番染色体にありますSETBP1遺伝子を報告しております。実際に研究室を訪問するのは初めてでしたが、日本から留学されている先生方含め、タイやポーランドなど様々な国からポスドクが集まっており、研究だけでなく文化についても色々と話す機会が得られ充実した時間を過ごすことが出来ました。また、サンディエゴにおいても、研究内容について活発な意見交換が行われ、実際の医療現場などを見学させて頂き日本との差異について見聞きすることができたことは大変興味深かったです。

最後になりましたが、学会参加、研究室訪問とこのように非常に有意義な時間を過ごすことが出来、大変貴重な機会を頂きまして感謝申し上げます。このように本海外派遣で得られました経験や情報が自己の研鑽につながり、海外での研究生活を行いたいという強い動機に変化致しました。文部科学省科学研究費新学術領域研究「がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動」国際交流委員会の石川冬木先生ならびにご関係の先生方、総括支援班の平野様に心より御礼申し上げます。