概要・活動内容

個体レベルでのがん研究支援活動

ワークショップ「個体レベルのがん研究の魅力:培養細胞と臨床研究をつなぐマトリクス」の報告

本ワークショップは、がん研究の中でも特に動物個体を使用した研究の活性化を図ることを目的として、総括班中村卓郎(癌研究所)の発案により、今回は豊國伸哉(名古屋大学)が企画・実施を行った。
2011年2月3日〜4日の二日間に渡り、琵琶湖湖畔の滋賀県大津市琵琶湖ホテルで開催された。参加者は102名であったが、若手研究者の参加が目立った。外部からは、芹川忠夫氏(京都大学)と柳澤昭夫氏(京都府立医科大学)を招聘した。芹川氏は医学生物学研究におけるラットの重要性とラットリソースの拡充の必要性を論じ、遺伝子改変ラット研究の最新の動向を報告した。柳澤昭夫氏は、病理専門医の立場からヒト膵癌の早期病変に関して詳細な報告を行い、ヒト病変と動物モデル病変の摺り合わせの必要性をアピールした。内部からは、高倉伸幸(大阪大学)ががん幹細胞の血管ニッチ形成とその制御について総括的な報告を行い、高橋雅英(名古屋大学)はRetがん遺伝子の研究史を述べる一方、Akt-Girdinシグナル伝達系による細胞運動制御の個体レベル解析の最新の知見を披露した。
また、今井田克己(香川大学)は発がん動物モデルシリーズ1として、肺癌に関して現在使用可能な動物モデルを網羅的に紹介した。一般講演は若手9題、一般5題、ポスター発表は52題であり、全般に極めて活発な討議が行われた。一般講演でユニークなものとしては、メダカがんモデルの報告やマウスリソースセンターの紹介があった。さらに、バーチュアルスライドを使用して、動物個体の病変3件の病理学的診断に関する意見交換を参加者全員で行った。
最後に、本ワークショップに優れた貢献をした若手6名を表彰した。


最優秀口演賞:長町安希子(広島大学原爆放射線医科学研究所・がん分子病態研究分野)
優秀口演賞:河原康一(九州大学生体防御医学研究所・ゲノム腫瘍学分野)

優秀ポスター賞:

  • 平田暁大(岐阜大学生命科学総合研究支援センター・動物実験分野)
  • 西田知恵美(東京大学医科学研究所・幹細胞治療分野)
  • 沖俊彦(東京大学医科学研究所・細胞療法分野)
ベストディスカッサー賞:沖田康孝(九州大学生体防御医学研究所・分子医科学分野)